モダンドラマーに対する不満。

トニーのプレイを,とくとお聞きくださ

先日の大阪旅行にて,タワレコなどで大量に仕入れたCD,DVDがあり。

その中にスティーブガッド(ドラム奏者)がありまして,それをみていて重要なことに気がついてしまった。


ガッドのプレイは,とにかく音量の変化が無いと言うことなんです。
たとえば,私の好きなトニーウイリアムスはどうか?大体ドンドコとうるさいプレイで有名ではあるんですが,特にソロプレイに入ってからの話ですが,ppp(ピアニシモ)からfff(フォルテシモ)まで,自由に操っている印象でした。まあ,スティーブガッドが「スタッフ」などのイージーリスニング系というか,悪く言えば,同じ音量でだらだらとやるセットに入っているせいもあるかもしれないが。

先日,近年のスタードラマーを集めた...というDVDを見まして,これに,アメリカのドラムオーディション優勝者も入っていたんですが,とにかく小さい音から大きい音まで上手に使い分けるんです。とても器用で感心しました。このDVDに日本人としてただ一人参加していたのが,神保彰だったのですが,彼のプレイはパッドをたたくとシーケンサーが1ステップ進むというやつで,いわゆるミスタッチがまったく許されないという点で,非常な正確さが要求されて,終わっても大喝采だったんですが,タッチミスが許されない状況でたたき続けられるということは,センサーに同じ強さで信号を送り続けられる,逆にいえば,音の大小が無いということにもなるのでは?

画像のグレイトジャズトリオのCDなんか,とくに「ムースザムーチェ」のトニーのソロなんかは私,1万回は聞いた自信があるんですが,とにかくダイナミックスというか,息をもつかせぬ凄さがあるが,それには,やはり音の大きさが変化するという要素がたぶんに影響していると思います。

ここで,私が好きなドラマーとそうでもないドラマーをいま思いつくまま並べてみますと...

好き トニー(前出),ビリーコブハム,東原力哉

そうでもない 高橋ユキヒロ,神保彰ほかCASIOPEAの歴代ドラマー,スティーブガッド


となり,好きなドラマーに入るのは,いずれもダイナミックスがあるドラマーということにもなる。東原は,自身でも,「トニー大好き」といい,かなりプレイに影響を受けてますし,ビリーは,pppのときは,PAのホワイトノイズも目立つくらいの小音量でプレイできるそうで。

歴史が進み,時代が新しくなると,音符は細分化され(4拍子→8拍子→16拍子...と),テンポもアップするといわれているのですが,ノッペリと起伏のないドラミングが多くなってきている,と感じるんです。かつてと比べて,ドラムマシンとかシーケンサーが格段に進歩しまして,そういう機械とばかり練習するからこうなってしまっていくのか?

自分はもともと吹奏楽管弦楽辺りから音楽に入ってますので,どうしてもそういう点に目がいくのかも知れませんけど...。


画像は,THE GREAT JAZZ TRIO AT THE VILLAGE VANGUARD 
トニーのプレイ,是非聞いてみてください。